2017年4月新入荷楽器のご案内

≪輸入クラシック 中古≫

ヘルマン・ハウザー2世 ロメロモデル 1975年 653mm 松・中南米ローズ

名器と呼ばれるギターが、その製作家と同時代を生きた名ギタリストとの出会いによって生み出されることはしばしばありますが、これもまたその最良の一例でしょう。
ハウザーといえば何と言ってもトーレス以降の最大の事件と言ってもよい、1世(1882~1952)とアンドレス・セゴビアとの歴史的な邂逅があります。天才二人のコラボレーションから生み出されたギターは現在の4世にまで受け継がれたセゴビアモデルとして、今なお世界中のギター製作家、ギタリストにとっての究極のモデルとなっています。
本作は現代の名手ぺぺ・ロメロのために2世(1911~1988)が製作したいわゆるロメロモデルのひとつ。セゴビアモデルとは異なり全体に丸みのあるふくよかなボディシェイプ、厚みのある胴が特徴で、ハウザー独特の硬質で粘りのある音色が深い奥行きをともなって響くのは何とも素晴らしい。
1969年に製作されたオリジナルのロメロモデルは、サウンドホール両側から斜めに伸びる力木が表面板の中央で合わさり、そこからブックマッチに沿ってまっすぐ胴底に伸びるY字型の力木構造が特徴。本作ではオーソドックスな5本の扇状力木配置となっています。
裏板に一部割れの補修あとがありますが、適切な修理が施されており、美観的、機能的になんら問題はありません。その他は製作年を考慮すると非常な美品といえるほどの良好な状態。2世のドイツ的感性と、スペインの名手との親和力の強さを如実に体感できる稀有な一本です。

ペドロ・バルブエナ1世 1997年 650mm 松・中南米ローズ

ペドロ・コントレラス・バルブエナ1世といえば、まずラミレス3世の工房において60年代にPCスタンプの1Aモデルを製作していた作家として記憶されている方も多いでしょう。ラミレスの美学の中にあって、そのたたずまいはいつも慎ましく凛として、渋いとさえ言える独特の音色を持つギターとして現在でも非常に人気
のあるアイテムとなっています。
ラミレス工房を出たあとはブラジルの有名なギターメイカー、ディ・ジョルジオで働いていたこともあり、その後帰国して独立。ラミレスギターを製作している
時でさえにじみ出てしまう彼の個性的な音色美学は、当然のことながらオリジナルモデルにおいて十全に発揮され、いわゆるマドリッド派のなかでも静かに異彩を放っています。
本作は彼の製作が安定していた時期のもの。華やかさや色気とは無縁ながら、味わい深く澄んだ音色、指の動きに寄り添うようにして素早く鳴る反応性、そして全体のバランスなど、良質なスパニッシュギターとしてなんら不足のない出来。中庸であることの美しさを認識させてくれる佳品といえるでしょう。
裏板塗装に一部白濁と年代相応の若干の弾き傷がありますが、20年を経た楽器としては良好と言える状態。

≪国産クラシック 新作≫

アルベルト・ネジメ・オーノ 90号 650mm 松・中南米ローズ

4月のアウライベント出演決定 ! ジャパニーズブランドの最高到達点。
邦人製作家のレベルが国際的な水準にまですでに達していることを如実に体感できる一本です。音色の濃密さと艶やかさ、力強い響き、鳴らすだけで音楽的
な密度を感じさせるギターとしての表現力など、スペインという本場が持つ伝統の深さを、存分に吸収してきた氏ならではの至芸といえるでしょう。
良質なギターがしばしばそうであるように、奏者にはタッチの繊細なコントロールが要求されるギターですが、演奏性に関しては日本人にとって非常に弾きやすく、ストレスなく弾ける感触に仕上がっています。

尾野 薫 110号 ハウザー1世モデル 645mm 松・中南米ローズ

これもまた邦人製作家の高い到達点を示す一例となる一本。当然のことながらハウザー1世のオリジナルモデルを踏襲した造りとなっていますが、この偉大な
先人に対し、さらに洗練を目指すような氏の姿勢が見事にあらわれています。
音のクリアネスはこれ以上ないと思わせるほど、また透徹した音色や和音のまとまり、やや粘りを持った響きなど、ハウザーファンもうならせる仕上がり。
ネックはやや厚めな感触ですが、フィット感は良く、弦の張りも中庸で全体的に弾きやすく感じます。外観の精緻な美しさも氏ならでは。音楽的、工芸的の両面において高級品にふさわしいギターとなっています。

尾野 薫 90号 ロマニリョスモデル 645mm 松・ローズ 近日入荷予定
いくつかのモデルラインナップの中でも、実際にロマニリョス本人からの教えを受けた氏にとっては特別なモデルでしょう。造作の精緻さ、音色の洗練、
ギターという楽器への学術的なアプローチ、音響バランスなど、氏の資質とも深い親和性があるであろうロマニリョスギター。ハウザーモデル同様に安直なコピーに決して陥ることのない、オリジナルとしてのレプリカモデルの究極。

≪国産中古ギター≫

本間廣明 スモールマンモデル 2010年 650mm 杉・ローズ

1949年生まれ。中出敏彦の工房でギターを学び、河野ギター製作所、黒澤楽器店でのリペアマンを経て独立。オーソドックスな製作法を土台としながら、古今東西のギター修理の経験から培った知識とそれを柔軟に活用できる技術とで、現在様々なモデルを製作しています。本作はジョン・ウィリアムスの使用で有名なグレッグ・スモールマンのギターを踏襲したモデル。ラティス構造、アーチバック、横裏板が厚く加工され表面板を薄く設定した造りなど、不足のないレベルでしっかりと仕上げられています。現在数多あるレプリカモデルの中では、音量の豊かさも含めて十分に奏者を納得させるクオリティといえるでしょう。オリジナルにはない、横板に加工されたリュート風の細工がなされたサウンドホールは、フランスで古楽器製作を学んだ経験からでしょうか。武骨な外観のなかに軽い洒落心をみせています。

丸山太郎 35号 2007年 650mm 松・ローズ

石井栄の工房を経てスペインに留学、ホセ・ルイス・ロマニリョスのマスターコースを受講し、帰国後は長沢仁美に師事。木材と響きに対しての鋭敏な感性の持ち主と感じさせる彼のギターは、あえてよけいなカラーを持たないようにと自らを律しているような静かな厳しさがあり、それが楽器にフレッシュさと滋味とを同時に併せ持つ独特の性格を与えています。
本作は経過年数のわりには全体に傷の目立つ個体ですが、この製作家の個性を不足なく感じることのできる一本。

≪輸入フラメンコ 中古≫

テオドロ・ペレス コンシェルト 2010年 650mm 松・中南米ローズ

スペイン、マドリッドの人気ブランド。マリアーノ・テサーノスとの共同作業時代を経て独立したブランドとなったあとも、マドリッドらしい音色と豪奢な造りとで日本でも変わらぬ支持を得てきました。本作はもともとはクラシックモデルとして製作されたものですが、ゴルペ板を装着し、弦高も低めに設定されて、フラメンコ用としてプロギタリストに使用されてきたもの。丁寧にじっくりと弾き込まれてきたことでクラシック用としても、フラメンコ黒としても汎用性の高い一本となっています。高級ブランドとしての名に恥じぬハイクオリティな仕上がりを持つモデルだけに、表現力という点でも申し分のないギター。