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24.ステージマナー
映画館やコンサート会場では、途中で携帯電話が鳴ったり、傘が倒れて大きな音がしないように、多少のマナーが必要です。 これと同じように、コンクールや発表会のステージに上がるときに、知っておくと良いマナー(物腰、作法)があります。 ステージ上でどのように振舞うかは、演奏の一部であると言っても過言ではありません。 音楽は演奏にのみ意味があると思われがちですが、実際には開場から始って、終演までが聴衆の印象に影響します。 どんなにいい演奏を聴いても、ホールを出たとたんにゴミが散乱していたり、耳を覆いたくなるような騒音があれば、気分がこわれてしまうでしょう。 ところが、演奏者自身がステージの雰囲気をこわしてしまっている場合が時おり見られます。 せっかく練習を積んでステージに上るのですから、聴きに来てくださる方に少しでも気持ちよく聴いてもらえるようにしたいものです。そのためのステージマナーをいくつか挙げてみましょう。 ・本番でステージ中央まで進むのは、相当慣れた人でないと勇気がいります。リハーサルのときに袖から往復してみて、歩く姿をイメージしましょう。早いとせかせかした落ち着かない雰囲気となってしまいますから、いくぶん遅めがよいでしょう。本番では袖から椅子までの距離がすごく遠く感じられるかもしれませんが、聴衆から見ると、歩くのが遅いと感じられる場合はほとんどありません。 あわてず、一歩ずつしっかり進みましょう。 ・ステージ中央で正面を向きますが、礼をする前に一瞬でいいですから、胸を張り、あごを上げてください。 聴衆と目が合うのが怖いときは、ホールの奥の天井あたりを見てください。顔が上向きになればよいのです。 このわずかな動きで、聴衆は演奏が始ることを強く意識し、演奏者には自信が生まれます。 ずっとうつむいたままでは、響きまで暗くなり、音が閉じこもってしまいます。 ・調弦は小さな音でやりましょう。本来、調弦は楽屋で済んでいるはずで、ステージ上では微調整を「させていただく」という気持ちが必要です。なお、調弦には演奏前に気持ちを整える意味もありますが、長くなると聴衆は苛立ちを感じ始めますから、10秒から20秒程度に止めましょう。 ・弾き始める時は極度に緊張し、つい癖になっている動きをしてしまいがちです。手首を振る、腕の屈伸をする、メガネをなおす、鼻をこする、首を回す、などです。これらは、演奏者の人柄の現れでもあり、必ずしも気にする必要はありません。しかし程度問題で、あまりこうした動きがせわしかったり大きいと、聴衆には奇異に映ります。これから重厚にバッハを演奏しようとする前に、腕をぐるぐる回したとしたら、きっと雰囲気にそぐわないでしょう。こうした「癖」に思い当たる場合は、普段の練習の時から気をつければ容易に避けることができます。逆に、他人が見ていない練習のときについやってしまう動きは、本番で思わず出てしまいますから、日常の注意が必要です。 ・演奏が終わったら、ゆっくり立ち上がります。「終わった」と思ってあわてると、足台を倒したりして、せっかくの雰囲気をこわします。 はじめと同様、胸を張り、あごを上げてから、ゆっくりと礼をします。礼は深さよりも、気持ちを込めることが大切です。 うるさいことを書きたてましたが、あまり見た目にばかり神経質になるのでは本末転倒です。 あくまで演奏が主であることは言うまでもありません。 ステージマナーは「聴きに来てくださった方に、感謝の気持ちを表すこと」であると考えてはどうでしょう。 ご自分にとって「不自然でない程度の注意をはらうこと」と受け止めても良いかもしれません。
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