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Q & A 集
8.名器のコピーモデルが必ずしもオリジナルの音に近くならないのはなぜですか

製作家は、トーレスモデル、サントスモデル、フレタモデルなど、名器をそのままフルコピーしたり、多少手を加えたりして製作することがあります。
それは、高価で手に入り難い名器に近い音色の楽器を、ある程度リーズナブルな価格で手に入れたいという要求が常に市場にあるからなのですが、また同時に製作家にとっても隠されたノウハウを研究する上で、名器のモデルを作るのは大きな意義があります。

しかし結果として、オリジナルとはかなり違う音色の楽器になる場合が多々あります。
それは同一条件の素材というものがそもそも存在しないことに加えて、経年変化に伴う音色の変化という解明し難い問題が含まれているためで、ある意味では当然のこととも言えます。

しかし、モデルのタイプに関わらず、コピーを製作した製作家の特徴に大きな変化が見られない場合があります。
それはギターの音が、設計だけでは決まらないからです。

コピーの製作にあたっては、まず第一に製作の課程が当時行っていた様な伝統工法である必要があります。
次に設計をフルコピーすること。更に製作家は作りながら自分の音のイメージに合わせていろいろな調整をしなければなりません。
ですから課程に手抜きがあったり、トーレスならトーレスが持っていたのと同じ音のイメージを製作家がもっていないと、良い結果は得られません。木工技術のみ優れていても名器を製作できるわけではないのです。

(製作家 尾野 薫)


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