最近、多くのメーカーが個性よりもどちらかと言えば均質な傾向となっている中で、アクイーラは特別な存在感をもっている。
特徴 | 楽器との相性 | テンション | |||||||||||||||||||||||||
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アラバストロ | 1弦から3弦はナイルガットの研磨弦(乳濁色)。張ったばかりの高音弦はアンブラ同様に伸びるので、違和感を覚えるかもしれない。はじめは巻き上げても音程が変わらないので、つまみを間違えたかと思うほどだ。説明書にも音程が落ち着くまで弦の中央部を引っ張りながら巻き上げるように指示がある。低音弦はそれほど伸びず、一度安定するとあまり変化しない。ナイルガットによるセットだがアンブラに比べて通常のナイロン弦に近い。 | <良い場合> 低音のバランスが非常によく、しなやかで力もあり、大変魅力的。2弦、3弦もやわらかく豊かに鳴り、低音弦とのバランスもよい。1弦はやや細めの鳴り方で、2弦とやや質感が異なる。<悪い場合> 高音弦は研磨面が多少粗く、左右ともフィンガーノイズが出やすい。1弦が金属的に響くことがある。 | *ノーマルテンション(19C)
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アンブラ | 20世紀中頃までのギター弦は、高音にはガットを、低音にはシルクの芯をもつ巻弦を使用していた。その高音は独特の輝きをもち、低音は人の声のように響いたという。このセットは、そうしたリョベートやタレガの時代の響きを念頭に開発されている。高音はナイルガット(合成品・白色不透明)、低音はナイルガットの芯に銀メッキ銅線を巻いてある。張ったばかりの高音弦は異様に伸びるので、違和感を覚えるかもしれない。はじめは巻き上げても音程が変わらないので、つまみを間違えたかと思うほどだ。説明書にも音程が落ち着くまで弦の中央を引っ張りながら巻き上げるように指示がある。低音弦はそれほど伸びず、一度安定するとあまり変化しない。現代のコンサート用ギター弦とはかなり性格が異なり、個性の強いセットと言える。 | <良い場合> 全体に素朴な響きで、味わいがある。高音には密度があり、明るく豊かな鳴り方だが、同時に音の輪郭が明瞭。 低音は多少つまり気味に感じられるかもしれないが、立ち上がりや伸びなど、シルク弦の響きを意識して作られているのがよくわかる。<悪い場合> 高音弦は研磨面が多少粗く、左右ともフィンガーノイズが出やすい。低音に伸びがない。 |
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ペルラ | 通常の高音弦(乳白色)。細めで軽く鳴る。低音はくすんでいて、どこか懐かしい響きであり、3本の音色がよく揃っている。多少高価ではあるが、ギターの音色を楽しみたいユーザは試してみる価値があるだろう。 | <良い場合> 高音は音色が明るく、独特の色彩感がある。細めではあるが、パワーが入っても輝きが変わらない。低音は輝きに乏しいが、その分落ち着いた音色で、暖かみがあり、しなやかな感触。楽器によっては人間の声に近い響きとなる。<悪い場合> 鳴り方が細く、重量感や輝きに欠ける。神経質な響きとなる。 和音のバランスが悪い。 | *ノーマルテンション(37C)
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