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ピアニストならだれでも知っておきたい「からだ」のこと
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楽器を演奏することは本来、人生を豊かにするものであるが、同時に非日常的な動作を体に強いるため、しばしば指の故障という問題に直面する。しかし、それほど練習したわけでもないのに腱鞘炎になる人もいれば、高齢まで何の故障もなく演奏できる人もいる。この違いはどこからくるのだろうか。本書は、体にとってどういう動きが不自然で故障につながるのか、どのようにすれば故障から抜け出せるのか、どういう動きをすれば無理なく音楽的な響きを作り出せるのか、貴重なヒントを与えてくれる。まだギターのために特化されたアレクサンダー・テクニークやボディ・マッピングの本は出版されていないが、本書は鍵盤奏者だけでなく、ギターを演奏する人々にとっても非常に有益である。著者によれば、首や背中や足のわずかな緊張が指の自由な動きをさまたげているという。一読すると、指の動きとはほとんど関係ないと思われるような、全身の骨格や関節の位置などについて詳細に述べられているため、役にたたないと思われるかもしれない。しかし、本書の価値は繰り返し読み込むことによって、次第に明らかとなる。細部にまで著者の経験と体の動きのヒントがちりばめられている。


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