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髙木真介のスペイン便り
29.アルコイ・井上幸治追悼コンサートほか(2004.4.4)

皆様こんにちは。久しぶりのスペインだよりです。ずっと更新していなかったので、中にはもう終了してしまったのでは? とお思いの方もいらしたでしょう。まだまだ続けていきますのでご愛読のほどよろしくお願いいたします。

去る3月11日、マドリード市民は列車爆破テロと言う非常に凄惨な出来事に見舞われました。悲しいことに200人以上もの罪の無い市民の命が奪われました。テロリスト達の卑怯な行動は絶対にゆるせません。翌日スペイン全国各地で抗議のデモが行われましたが、ここマドリードでも雨にもかかわらず、230万人もの市民が参加しました。前代未聞の惨事の前に集った平和を求めるデモ行進は、荘厳な雰囲気を持っていました。あれだけの数の人間がひとつの目的に集ったことを私は今まで見たことがありません。犠牲者の冥福を心から祈るとともに、真の平和がこの世にやってくる日を心から待つしかありません。また、私がマドリード在住ということで、何人かの方からご心配のメールをいただました。この場を借りて感謝申し上げます。

第43回クエンカ宗教音楽週間  

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さて、本題に入ります。まずは、今までのスペインだよりでも何回か取り上げた、クエンカ市で毎年イースターに開催される宗教音楽週間に関してです。今年は、4月2日から11日まで計22回のコンサートが開かれます。コンサートの会場は、クエンカ市の誇る市立オーディトリアム劇場(今年で落成10周年を迎えるそうです)や、市内にあるいくつかの教会などが使われます。このうちからいくつか抜粋して紹介します。

・ 4月3日(コンサートNo2)、巨匠グスタフ・レオンハルトのチェンバロ・リサイタルがロマネスク様式の教会で開かれます。バッハ、クープランなどの作品が演奏されます。

・ 同4月3日(コンサートNo3)、ジョン・エリオット・ガーディナー指揮イングリッシュ・バロック・ソリスト+モンテベルディ合唱団がバッハのロ短調ミサを演奏。会場は、クエンカ・オーディトリアム劇場。

・ 4月4日(コンサートNo4)、カタルーニャが生んだ古楽界の奇才ジョルディ・サバイのビオラ・ダ・ガンバのリサイタル。

・ 4月7日(コンサートNo10)、クリストフ・ルーゼット指揮およびオルガン+Les Talens Lyriques。オーディトリアム劇場。

・ 4月8日、9日および10日(コンサートNo12、No15、No18)、ラ・コロンビーナ・スコラ・アンティクアによるトマス・ルイス・デ・ビクトリアのカントゥス・プラーヌス(単旋聖歌)『聖週間の祈祷』全曲を3晩に分けて演奏。サン・ミゲール教会。

・ 4月8日(コンサートNo14)、アントニ・ロス・マルバ指揮スペイン国立ユース・オーケストラの演奏で、ブルックナーの交響曲第8番。オーディトリアム劇場。

・ 4月10日(コンサートNo19)、ビクトール・パブロ・ペレス指揮ガリシア交響楽団。ハ短調ミサK427や受難カンタータ『葬送曲』K42などのモーツアルトの教会音楽。オーディトリアム劇場。

さすがに人気者のレオンハルトやジョルディ・サバイのリサイタルのチケットは、すでに売り切れになっているようです。美しいサン・ミゲール教会で聴くトマス・ルイス・デ・ビクトリアの単旋聖歌の作品群はきっと時間を超えてあなたを中世の世界に連れて行ってくれるでしょう。この宗教音楽週間に関してもっと詳しい内容がご覧になりたい方は、次記のウェッブ・サイトまでどうぞ。

www.semanademusicareligiosa.com

 第15回バルセローナ・ギター・フェスティバル

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       バルセローナ在住の日本人ギターリスト鈴木一郎氏が音楽監督を務めるこのフェスティバルも今年で15回目、すっかり定着したものです。毎年あらゆるジャンルのギターリストが登場し話題を呼んでいます。今年もものすごい顔ぶれが集っています。フェスティバルは3月28日から6月12日までの期間で行われ、合計13のコンサートが開かれます。いくつか抜粋いたします。番号はコンサート番号です。

1. 3月28日 ヘラルド・ヌーニェス・トリオ ( LUZ DE GAS )

3. 4月3日  アレックス・ガロベー ( CASAL DE METGE )

6. 5月4日  パコ・デ・ルシア・セクステット ( AUDITORI DE BARCELONA )

8. 5月14日 ジョン・ウィリアムズ ( PALAU DE MUSICA CATALANA )

10. 5月26日 イサベル・レイ&鈴木一郎 ( PALAU DE MUSICA CATALANA )

12. 6月11日 ラリー・コリエル、他

13. 6月12日 トマティート・キンテット+バルセローナ交響楽団 ( AUDITORI )

ニュー・アルバムを発表したばかりでますます磨きのかかってきたパコ・デ・ルシアのコンサートはやはり一番の注目の的でしょうか。クラシックからは、今やギターの王様と称されるジョン・ウィリアムズのリサイタルも聴き逃がせないでしょう。その他、フラメンコのヘラルド・ヌーニェスやオーケストラと共演するトマティートの演奏も楽しみですね。そして、名ソプラノのイサベル・レイと音楽監督自ら共演する鈴木一郎氏の演奏会も注目されます。ジャズのラリー・コリエルが何をするかも楽しみのひとつでしょう。

井上幸治 追悼コンサート 

       1979年から長くアルコイに在住し活躍していた日本人ギターリストの井上幸治氏は、昨年4月26日に皆から惜しまれながら、アルコイの自宅で最愛の奥様マリさんに見取られながら49年の生涯を閉じました。その井上氏が生前教えていたアポロ音楽学校の関係者が企画し、アルコイ市内の地元銀行のホールで追悼コンサートが開かれました。

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(在りし日の井上幸治)

コンサートは、3月22日から26日までの5日間毎晩開かれました。地元の音楽家や、友人など数多くの音楽家が参加し、バラエティーの富んだプラグラムが組まれました。私も24日のコンサートに出演いたしました。他にギター関係では、3月26日に故井上氏と古くから交友のあった、ドイツ人ギターリスト、アレクサンデル・ラミレスやイギリス在住の女流ギターリスト、テレーズ・ワシリー・サバが出演しました。私事ですが、ラミレス氏とは私も面識があり、実に15年ぶりの再会となりました。ラミレス氏の奥方はピアニストで、25日の演奏会に出演しました。この追悼コンサートを通して、井上氏が生前いかに奥様をはじめまわりの人達に愛されていたかということを痛感いたしました。私が出演したコンサートの後、マリさんや関係者の人達とひとときを過ごしましたが、いろいろな思い出話をすることができました。願わくはマリさんとお二人の息子さんダニエル君とパブロ君の上に神様のご加護がありますように。

これで今回のスペインだよりはおしまいです。なかなか新しい記事ができるまで時間がかかってしまいますが、どうか今後もよろしくお願いいたします。またお目にかかりましょう。ごきげんよう。

高木真介、2004年3月30日、マドリード

Masayuki Takagi


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