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11.ゲルハルト・オルディゲス

A:「知名度も上がってすっかり中堅クラスとなったオルディゲスは、もうロマニリョスの弟子というイメージを脱したように思いますが、どうですか?」

B:「太くどっしり鳴るという面では、ロマニリョスの豊かさや音色を受け継いではいますが、方向は少し異なり、独自のスタイルを完成しつつあると言えるでしょう。」

C:「どちらかと言えば、ロマニリョスがワイドレンジで華やかな音であるのに対し、オルディゲスはやや落ち着いた重厚な響きと言えるでしょうか。」

A:「初期はマヌエル・ラミレスに傾倒していましたね。」

B:「そうです。マヌエル・ラミレスモデルで、短めの弦長の、ゆったりしたオールドのような鳴り方に特徴がありました。」

C:「高音に品があってやわらかくクラシカルな響きですが、伸びのある低音の中にスペイン的な弾力があって、はじめから評価が高かったですね。誰が弾いてもグレードの高さがわかるので、すぐに売れてしまうことが多いようです。」

D: 「しばらくマヌエル・ラミレスモデルで製作した後、ハウザー一世の作品に目を向けていて、現在ではバランスと力強さを増したハウザーモデルが主体です。十分な音量もあり、第一級のコンサートギターと言えるでしょう。」

C:「細部の仕上げも初期より現在の方が入念になりましたね。」

D: 「オルディゲスのオールドのような鳴り方は表板の貼り方に起因しています。トーレスを研究した結果から、表板そのものの鳴りを抑えることにより、タッチのエネルギーが表板からボディ全体ににうまく分散され、太くたっぷりとした鳴り方になります。往年の名器の音に共通する芳醇さを新作で再現できるのはオルティゲスくらいではないでしょうか。古くなってはじめてオールドの音になるのかと思っていましたが、新作でもできることを彼が証明してくれました。」

B:「最近彼はブリームとよく意見交換をしていて、ブリームの所有するハウザー一世からいろいろ学んでいるようです。」

D: 「彼は小型カメラでトーレスのレオナのトルナボスの隙間から中を調べたそうですよ。」

B:「ブリームは過去に有望な若手製作家にアドバイスしたり援助して、ルビオやロマニリョスのような一流の製作家に育ててきましたから、オルディゲスもそうした過程をたどるかもしれません。」

C:「彼の作品は国際的にも評価されています。」

A:「日本には早くから紹介されているのですから、もっと多くの人に見て欲しいですね。」


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