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9.最後に

 最終回をどのようにまとめようかと考えているうちに、半年が過ぎてしまいました。これまでの応用としていろいろなアイデアが絶えず生まれたり消えたり、あるいは忘れてしまったりしています。そのうち、少なくとも私にとって確実に効果のある方法をひとつ加えておきたいと思います。それは上記の回復訓練の変形に過ぎませんが、私には大きな効果があります。それは、自分の苦手な、たとえば1,2,4や4,3,1のパターンを選び、「指の間隔を少しあけて」これまでと同様の練習を行うということです。慣れないと、とてもやりにくい訓練です。もちろん、無理をしてやるようなことではありません。1,3,4などを試みると指が壊れるのではないかという不安に襲われるかもしれません。これまで同様、力を抜き、指の動きたいようにやらせてやる気持ちで、そっと練習します。慣れてきたら、力を入れてはじき出したり、動きをごく軽くしてスピードをあげてみます。効果は曲を弾いてみるとすぐにわかると思います。

 さて、最後に少しまとめのようなことをしてみたいと思います。今をときめく村治佳織さんの腕力は、どれほど強力でしょうか。大方の男性ギタリストよりはるかに弱いのではないでしょうか。では、あの自在な演奏力はどこから来るのか。たぶん、彼女の筋肉の瞬発力としなやかさによると思われます。ギターの世界では、これまであまりそういうことが意識されてこなかったように思います。とにかく、艱難辛苦なんとやらで、ひたすらがんばってテクニックをものにするという練習が主体ではなかったでしょうか。これがギターによる故障者を生んでいるように思えてなりません。スポーツの世界では、瞬発力をつけるための訓練と、持久力をつけるための訓練は違うと聞きます。私にはそのあたりの知識がありませんので、言及しないまま筆を置きますが、機会があれば勉強してギター演奏との接点を見いだせればと思っています。お読みいただいき、ありがとうございました。疑問やご意見がおありの方は、アウラあてにお送りいただければ幸いです。


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