アントニオ・マリン・モンテロ アウラオリジナルモデル 2016年 650mm 松、中南米ローズ
名実ともにグラナダ最大の巨匠、1933年生まれの現役最長老のひとりであるアントニオ・マリン。
熟成とともにますますフレッシュさをも感じさせる新作が入荷いたしました。彼にとってギターという楽器の芸術的完成度を追求してゆくとき、その最高の規範となるロベール・ブーシェ。
その芸術性と彼自身が培ってきた美学との融合を成し遂げてきたマエストロの、その帰結ともいうべき極上の逸品。本器のために特別な最高級材を選定し、全体のデザイン、ラベルも全てショップオリジナルとなるスペシャルモデルです。
ホセ・マリン・プラスエロ アウラオリジナルモデル 2016年 650mm 松・中南米ローズ
アントニオの甥にして、グラナダ次世代を代表する一人。グラナダ的音色と人が口にするときに、そのイメージの中に最も円満に当てはまる作家でしょう。美しく気品のある外観。豪壮にして繊細、抜けるような明朗さと深淵さ。楽器としての完成度の高さからか、様々な音楽ジャンルにおける第一線の演奏家たちを刺激し続けてきました。今回同時入荷のアントニオと同様にショップ限定のオリジナルモデルです。
ブレイス・マス 19世紀ロマンティックギター 1800年頃 650mm 松・楓
ラベルには’a Paris’と表記されることが多いようですが、実際にはミルクールに工房を構えたフランスのブランド。
ヴァイオリン工房として名を馳せ、豪奢なリラギター等の製作もし、1800年前後に製作されたギターを含むこれらの楽器たちは、同時代の製作家たちにも少なからず影響を与えたようです。1800年ごろとされる本器はバロックギターから19世紀ギターへのまさに変遷の中にあることを感じさせる趣。
バロックの薫りを豊かにたたえ、その素朴で滋味あふれる響きがなんとも魅力的な19世紀ギター。
マルセリーノ・ロペス トーレスモデル 2009年 650mm 松・中南米ローズ
マルセリーノ・ロペスと言えば、トーレスの有名な‘La Leona’ の修復をし、それをはじめとする数々の名器の実地の研究の成果を土台としながら、個性的で素晴らしいトーレスモデルを作り続けてきた作家としても、高い評価を得ています。古雅、滋味という言葉だけでは括り切れない、不思議に新鮮さを感じさせるトーレス。
クリストファー・ディーン 2008年 650mm 松・中南米ローズ
名工P.フィッシャーの薫陶を受けたイギリスの中堅。この国の作家たちに通底した、スペイン的伝統を規範とし、しかしながら華やかな色彩感といったものとは趣を異にする、独特の渋い響き。
しかしながら印象としては若々しくフレッシュさを感じさせるところもイギリスの楽器の不思議な魅力でしょう。大変に状態のよい一本が入荷。
ケヴィン・アラム ‘Yuna’ 2014年 650mm 松・ローズウッド
ブリーム愛用のギターとしても有名。この楽器製作における新たな才能を発掘することにおいても慧眼を発揮した稀代の名手が、現在までにアラム製作のギターを2本、自身のレコーディングで使用したことは有名な話。年を経るごとに彼の楽器は音響においても造作においても余計な要素をそぎ落とされ、弾き手の指との完全なシンクロを目指しているかのような、厳しささえ感じさせるギターとなっています。
マイケル・ジー 1999年 650mm 松・中南米ローズ
現代イギリスの「最も重要な製作家」の一人。やはり英国的な気質と音響的ニュアンスを十分に感じさせながら、たくましく男性的で、やや硬質な響きは他の作家にはない特別な個性となっています。デビッド・ラッセルらが使用したことでも有名。
ホセ・ラミレス 4世 C650 Tradicional 1997年 650mm 杉・ローズウッド
現在も続くホセ・ラミレスブランドの隆盛を決定づけた3世(1922~1995)、その息子である4世(1953~2000)は正統な後継者とされながらも、3世亡きあとわずか5年後に47歳の若さでこの世を去ります。最高級品の大量生産という離れ業をやってのけたこのブランドの、その個性的なトーンを一本一本にまで浸透させた見事なクオリティは、本器のような定番中の定番モデルのなかに如実に感じとることができます。更なるイノヴェイションを予感させた4世の、その名に恥じぬダイナミックなラミレストーン。
マヌエル・コントレラス 2世 アルト ドブレ 2000年 530mm 松・中南米ローズ
ラミレス工房出身であることからか、やはり良質な高級品の普及に熱心だった世界的な有名ブランド。
1世、2世ともに様々な作風を試し、それぞれに高品質な楽器を製作し続けました。本作は合奏用ギターでも人気のあったブランドならではの、不足のない仕上がりのアルトギター。
西野春平 35号 ハウザーモデル 650mm 松・ローズ
ヨーロッパ的なものを実にうまく日本的な感性の中に包含し、常に高品質で安定感のあるギターを製作し続けてきたベテラン。言わずもがなの申し分のないハウザーモデル新作。
桜井・河野 PRO-J 650mm 杉、中南米ローズ
同ブランド中では比較的一般向けとして設定されているモデル。このブランドとしては珍しい杉材仕様し音の太さ、力強さ、音色の艶が増しています。材の特徴をしっかりと活かした、不足のない仕上がり。
≪国産クラシック 中古≫
水原洋 1994年 650mm 松・ローズ
その才能が広く認識されながらも、惜しまれつつわずか46歳という若さで早世した製作家。古楽器にも精通し、
彼の製作したラコートモデルで鈴木大介氏がレコーディングを行っているのはファンの間では有名な話。
本器は現代タイプのギターですが、艶のある凛としたのびやかな響き、バランスの良さは特筆すべきもの。
茶位幸信 ソプラノギター No.30 435mm 松・ローズウッド
合奏用ギターをお探しの方には早くから御用達ブランドとなっていた茶位ギター。比較的珍しいソプラノギターが
入荷いたしました。通常ギターチューニングより1オクターブ上での調弦となり、当然のことながら合奏での使用が主となりますが、他の使用法も模索できそうな響き。高いクオリティを保持してきたブランド。このソプラノもしかり。
J.ラミレス3世 AMスタンプ 木ペグ仕様 1969年 655mm 杉、シープレス
ラミレス全盛期の60年代スタンプ入りフラメンコ。AMのイニシャルはアントニオ・マルティネス・オルテガによるもの。1959年から1971年までラミレス工房にてプロフェッショナルラインの製作に携わり、なんと400本以上のギターを製作したとのこと。独立したラベルでのギター製作をしなかったことから、知名度としてはやや低めですが、ラミレス黄金期を支えた最重要職人の一人です。本作はフラメンコの素晴らしいニュアンスをたたえつつ、杉材の必然性を音に見事に体現した一本。
黒澤哲郎 #35 2015年 650mm 松・シープレス
人気ギタリスト沖仁オリジナルモデルの製作により、現在国産のフラメンコとしては最も新しいファンを増やしているブランド。むせかえるような情感というよりは、楽器としての機能性の高さと、シャープネスや反応、音色の明朗さなど全てにおいて不足のないバランスが魅力。しかしながらその土台にしっかりとスペイン的なニュアンスが通底しているところ、製作家の面目躍如といったところでしょう。ジャンルを超えてオールマイティに使用できる一本。