2017年2月新着楽器のご案内

≪輸入クラシック 中古≫

R.Y.ワイスガーバー 年代不詳 650mm 松・メイプル

生涯に1000本以上の楽器を製作し、そのどれもが一つとして同じモデルがないと言われるほどにそれぞれの趣向を変え、実に多彩なブランドカタログを展開した稀有な製作家。そのため捉えどころのなさもまた感じさせはするものの、どの楽器にも通底するドイツ的造作の確かさと、19世紀的な香りをほのかに感じさせる味わいのある響きと音色とによって、ロマンティックギターと現代のギターの両方のファンから愛されてきたブランドです。
本作は同郷ウィーンの職人Christoph Sembdner により2013年にリストアされた一本。本来の持ち味をしっかりと活かしながら、音的にも外観的にも見事にフレッシュによみがえり、一級品として不足のないギターとなりました。メイプル独特の真綿のような、やや硬めの音色が魅力的。

 

19世紀ギター(伝ガダニーニ作) 1800年代  640mm 松・メイプル

18世紀イタリアを代表する弦楽器製作者の名門。やはりヴァイオリン製作において非常に有名ですが、良質なギターも製作していたことはよく知られるところです。しばしば特定が難しいものもありますが、もともと貼ってあったラベルが剥がされてヴァイオリンに転用されたりするなどが原因でした。本作もラベルには19世紀末のミラノの楽器商のものが貼られており、同様の歴史を経て来たのではないかと推察されます。作風はガダニーニ一族のガエタノ・ガダニーニのものとほぼ同様で特に1820年代から30年代にかけてのものにほぼ同じ仕様とデザインのものが見受けられることから、この時期の作ではないかと思われます。やや大き目のボディ、ヴァイオリン属を思わせるカーブした表面板、ドイツの名工ヘルマン・ハウザーもそのレプリカモデルを製作するほどに傾倒したブランド。大変稀少な一本。

 

A.ラジャ・フェレール トーレスモデル 2004年 647mm 松・中南米ローズ

スペイン、グラナダの製作家。アントニオ・ラジャ・パルドの息子として、また同郷の多くの製作家たちにとっての良き教師であったエドゥアルド・フェレールの孫として研鑽を積むという、いかにもこの街の生まれらしい恵まれた環境の中で、良い意味で常に若々しさを感じさせる楽器を製作し続けてきた中堅。音は乾いて素朴であたたかく、十分なパワーを内包しながらも実に慎ましい響きが、日本のギターファンには愛されてきました。本作は僅か24歳の時の作ながら、やはりしっかりとした完成度を備え、一流のグラナダの楽器として不足のない仕上がり。

 

ドミンゴ・エステソ 年代不詳 655mm 松・シープレス 

マヌエル・ラミレス工房において、サントス・エルナンデスと並ぶ名工とされ、のちのコンデ・エルマノスブランドの礎を築いた製作家。シープレス仕様ですが、やや厚めのボディなどからクラシカル用として製作されたことをうかがわせます。トーレスの名器がそうであるように、シープレスならではの滋味あふれる響きが魅力的な一本。

≪国産クラシック 新作≫

黒澤哲郎 スタンダード 松・ローズウッド

純スペイン的な響きと工法とを標榜しながら、安定した高い技術で地道に新たな挑戦に踏み込んでいる製作家。彼のその姿勢は本作のような比較的スタンダードなモデルにおいても常に実践され、入荷の度に異なる感触を我々に与えてくれています。今回届けられた本作も、基本的な部分は踏襲しながらも、きりっと引き締まった硬質な音色が心地よく、弾けば勝手に鳴る楽器ではないところに作家の矜持を感じさせる一本。

 

箭内ショウイチ 30号 ブーシェモデル 650mm 松・ローズウッド

製作家にとって今回初となるブーシェモデル。ハウザーモデルの製作において如実に成果を上げてきた彼にとって、一つの挑戦ともいえるモデル。音を出した時の感触は柔らかく落ち着いた印象ですが、和音では各音のバランスがきりっと引き締まり、とてもフレッシュな印象。音も出しやすく、初心者の方にもおすすめの一本。

 

≪輸入フラメンコ 中古≫

コンデ・エルマノス 1977年 AF-25 660mm 松・シープレス

オリジナルコンデの響きを直に体感できる秀逸な黒。独特の粘りを感じさせる音色がフラメンコのタッチにおいてのみ見事な躍動するところ、まさにこのブランドの真髄を見る思い。全体に塗装のクラックはありますが、40年を経たフラメンコギターとして状態は良好です。

 

コンデ・エルマノス 1980年 A-26 660mm 杉・シープレス

1980年フェリーペ工房作。珍しい杉材を表面板に使用したモデルです。同じく杉材を使用したフラメンコを製作しているラミレスなどと比べ、響きはあくまでも凛として引き締まり、全体にこのブランド特有の粘りを感じさせながら、音色に艶が加わっているところがなんとも絶妙。

 

ホセ・ラミレス 3世 1968年 IMマーク 木ペグ 655mm 杉・シープレス

IM(イグナシオ・ロザス)スタンプ。60年代のラミレスが極めて高度なクオリティを、フラメンコギターにおいても達成していたことの証となる一本。心地よい深みをたたえた響き、各音はしっかりと引き締まり、反応も決して重くならず極めて鋭敏、その気なれば十分に歌う高音など、ロマンティックと瞬発力を同時に備えた、ラミレスならではの至芸。木ペグの機能性はしっかりと調整されていることで抜群の使用感。木ペグフラメンコをお探しの方はぜひ!

ホアキン・ガルシア 2009年 650mm 松・シープレス

アルゼンチンに一時期移住していたこともあり、スペイン帰国後は大手ブランドEsteve で製作にかかわっていたこともあるベテラン。現在はマラガにて工房を構え製作を続けています。本作はフラメンコギターとしてはやや珍しい大き目なボディでしっかりと奥行きをもって鳴り、乾いたストレスのない音ですっきりと響きます。このテイストは南米的なものも感じさせ、ブラジル音楽などにも使えそうな一本。