アクイーラはイタリア・ヴィチェンツァで現代版ガット弦を開発、販売する等個性的な個性的な弦をリリースことで知られているメーカー。ナイロン弦とは異なる植物由来の原料を使うことで、ガット弦に近い温かみのある音を響かせるユニークな取り組みを続け、同時に環境への配慮も行う姿勢はサトウキビ由来のバイオプラスチックを使用した「シュガー」の開発へとつながり話題を呼んでいます。
高音弦には滑らかなモノフィラメントで作られたBionylon。低音弦の芯線にはNewNylgutを使用し製造されている。温かい響き、耐久性、安定したチューニングが特長です。
サウンド
高音弦は暖かな丸みを帯びた音色で独特の色彩感があり、細めではあるが軽く鳴ります。また、張ってから比較的早くチューニングが安定します。楽器によっては木質系の音色のためサスティーンが短いことやパワー感の不足を感じる場合もあります。低音弦は落ち着いた音色で、暖かみがあり、しなやかな感触。ギターの音色を楽しみたいユーザは試してみる価値があるでしょう。
ガットの欠点を解消した、ナイルガットSupernylgutを高音、低音弦共に使用。高い耐久性だけではなく、レスポンスの速さ、安定したチューニングが特長です。
高音弦は白濁したモノフィラメントで明るさがあり、2弦、3弦もやわらかく豊かに鳴ります。低音弦もしなやかで力があり落ち着いた響きで全体のバランスが良く取れていますが、楽器によってはサスティーンが短く迫力に欠いた音と感じる場合があります。ナイルガットは切れやすい素材のため注意が必要ですが、耐久性が劣るということはありません。
アンブラは19～20世紀当時の弦データを参考に、その時代の音色に近いものを表現できるよう開発された弦。高音弦にはガットカラーのNewNylgutRを使用し、低音弦にはレーヨンを用いた新開発の芯線を使用しています。
高音弦はメロディアスな音色を追求するためにローテンションとノーマルテンションで配合にわずかな違いを付けてあり、密度があり素朴で明るい鳴り方で音の輪郭も明瞭です。低音はシルク弦の響きを意識した柔らかく優しい音です。立ち上がりや伸びなども十分ですが、全体に素朴な響きなのでメリハリの効いた輝かしい音色の楽器には不向きと言えます。
高音弦には独自で開発したNylonplant（100%植物由来のナイロン）を使用。フロロカーボンの性質に近く、クリアでパワーがある。チューニングの安定も速い。低音弦の芯線にはSupernylgut®を使用しています。
ナイロン弦よりフロロカーボンに近い響きですが、全体に素朴な響きで、味わいがあります。また張力が比較的弱く太さもナイロン弦に近いので違和感がありません。高音は密度があり、明るく豊かな鳴り方ですが、同時に音の輪郭が明瞭。低音は立ち上がりや伸びなど、シルク弦の響きを意識して作られているのがよくわかります。 軽快で明るい音のため、重厚で伸びの良い響きとは趣の異なる弦と感じる場合があります。
高音弦は、サトウキビから作られたイタリアのバイオプラスチックを使用。低音弦は、特別な赤い保護塗料でコーティングされ、その結果、巻き弦特有のノイズを低減し、酸化防止することに成功しています。
高音弦はフロロカーボン弦より更に音の伸びが良く、遠達性にも優れています。ガットのような甘さを持ちつつクリアな音色を出すことが出来ますが、楽器によっては撥弦時の摩擦音が気になったり、鋭い音になる傾向があります。低音弦は赤銅色で見た目にも個性的ですが、音量があり、分離の良い太めの音で鳴ります。
原材料に金属粉末を混入して作られている赤茶色が印象的な高音弦。低音にもシュガーと同様の特別な赤い保護塗料でコーティングした弦を使用。新しい素材を使うことでフロロカーボンの様に細めのゲージにすることなく、鳴りの良さと豊かさを両立させています。
高音は良く鳴るがカーボン弦のような金属音ではなく太い音色が特徴で、金属粉末を混入した赤茶色の印象ほど特異な響きではありません。低音弦も分離の良い太目な音で高音とのバランスが取れています。太く良く鳴り切れ味の鋭いシャープさとパワフルなサウンドが特徴です。
