REPORT:「対話と演奏」 Vol.1 山田陽一郎×田邊雅啓
今現在活躍する注目の演奏家と製作家、2人の視点から楽器を考えることをテーマに企画した「対話と演奏」アウラサロンコンサートシリーズ。
山田陽一郎と田邊雅啓による「第1弾」が去る11月8日(日)に開催されました。
当日小雨が降ってしまい客足に影響するのではと心配しましたが、始まってみれば満席となりその心配も杞憂に終わりました。
ご来場頂きましたお客様にはこの場をお借りして御礼申し上げます。
これまで名器弾き比べの企画は数回開催しておりますが、いずれもクラシックギターでの企画でした。
しかし今回は特にフラメンコの名器が数多く入荷しましたので初めてフラメンコギターでの弾き比べをお楽しみ頂く事となりました。
一部は、山田陽一郎のソロフラメンコギターコンサート。
フラメンコの特殊奏法は普段なかなか目の前でみることはありませんが、迫力のあるフラメンコ奏法は圧巻のひとこと。
そして、聴きなじんだクラシックの曲とリズミックなフラメンコの曲想をバランスの良く織り交ぜた、独創的なプログラム構成も聴きどころのひとつ。
アウラサロンコンサートならではの、目の前での演奏の醍醐味を存分に味わうひと時となりました。
小休憩をはさみ、第2部 山田陽一郎と田邊雅啓が名器についてトーク。
最初は田邊雅啓による楽器の歴史、構造、自身のスペインでの体験談から始まり、そしてその後は、実際の楽器に用いる木材を用いて、タッピングした時の打音の違いなど製作家ならではの含蓄のある興味ある話題が続きました。
その話を基に名器を同じフレーズ、同じ和音を用い、その音の違いを考察しそれぞれの楽器の個性を楽しんで頂きました。
当日の録画、一部では御座いますがご紹介します。
お楽しみください。
全て名器を使った試みであり、実演でしたのでどの楽器も素晴らしい音色を奏でていましたが、材料の違い、作られた年代、微妙な構造の違いを反映し、名器と一言でくくれない様々な個性を感じることが出来ました。
当日使った楽器を参考のために記載致します。
マヌエル・レジェス 1999年
マヌエル・レジェス 2000年
アルカンヘル・フェルナンデス 1961年
アルカンヘルフェルナンデス 1965年
アルカンヘル・フェルナンデス 1959年
コンデ・エルマノス 1990年
マヌエル・ラミレス(クラシックギター)
今後も名器の入荷を予定しております。
名器のお披露目を兼ね、その文化的な価値観を皆様と共有できるようなイベントを、引き続き企画していきたいと思います。ご期待ください。