REPORT:「対話と演奏」 Vol.2 尾尻雅弘×佐久間悟
2015年12月6日 ギターショップアウラ第1試奏室で対話と演奏VOL2 「尾尻雅弘 佐久間悟7弦スペシャルモデルを弾く」を開催致しました。
当日は天候にも恵まれ、多くのお客様にご来場頂きました。 この場をかりて心より御礼申し上げます。
当日の演奏プログラム掲載致します。
第1部
ディオニッシオ・アグアド (1784-1849):序奏とロンド イ短調 作品2-2
J.S.バッハ (1685-1750):ソナタ ニ短調 BWV964 アダージョ・フーガ(アレグロ)・アンダンテ・アレグロ
第2部
アストル・ピアソラ (1921-1992):ブエノスアイレスの冬 ブエノスアイレスの秋 (アサド編)
エンニオ・モリコーネ (1928- ):「ニュー・シネマ・パラダイス」より
ヘンリー・マンシー二 (1924-1994):ひまわり、
ピンク・パンサー ガロート (アニバル・アウグスト・サルヂーニャ) (1915-1955): 2つの瞳、ドビュッシヤーナ、フサのホルヘ、
シナル・ドス・テンポス セザール・カマルゴ・マリアーノ (1943- ):クリスタル
通常コンサートは、簡単な曲から始まり、段々と難曲を弾くというプログラムが多い中、
第1部からテクニックを如何なく発揮する難曲からスタート。
パリコン入賞という経歴を持つ尾尻雅弘氏ならではのプログラムではないでしょうか。
第1部は、展開の速い曲調と技術力の高さ、編曲のうまさを感じさせる演奏となりました。
ピアノで演奏されることの多いJ.S.バッハ (1685-1750):ソナタ ニ短調 BWV964 は、
7弦ギターをつかうことによってこそできるポリフォニックな世界があることを証明してくれました。
第2部は,1部とは変わり耳なじみの多い有名曲の演奏を披露。
1部2部と様々な曲想を聴くことで佐久間ギターのいろいろな可能性を感じることができました。
繊細な音色、透明感のある音、そして時に勇ましく、迫力のある音に包まれた空間。
それはとりもなおさず、尾尻雅弘氏の表現力の多彩さと、それに応える佐久間ギターのレスポンスの良さと
ダイナミックレンジの広さの証明に他ならないと感じさせる、かけがえのないひと時であった との思い
ひとしおでした。
ロマニリョスモデルに拘り続けた製作家が、その姿勢・ポリシーを変えることなく、 演奏家の要望に応え楽器を
製作し、 「その楽器」を使い如何なく表現する。
コンサートといえば、とかく演奏者のみに注目が集まりがちですがその背後には演奏家と製作家の「対話」を
はじめ様々なストーリーが存在することを改めて認識することが出来ました。
共に長野に住む演奏家と製作家との交流が、これからどのような経緯を辿り、発展していくのか楽しみに
思えるイベントとなりました。
当日の尾尻雅弘氏の演奏動画と佐久間悟の楽器の説明に関する動画抜粋となります。 お楽しみください。