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マヌエル・レジェス Manuel Reyes (1934~2014) 

グラナダ県のバジェーナで生まれた彼は1944年に製材所で働いていた家族と共にコルドバに移住した。両親はその仕事を継ぐことを望んだがフラメンコの音楽が日常に溢れている環境のなか、彼の興味はギターの演奏へと強く惹かれていった。やがて壊れたギターの修復をしたのが契機となり独学で製作を始め、その後ホアキン・サンチェス・ガリステーロの工房で製作の助言を得つつ、24歳の時に製作家として独立しコルドバに自身の工房を開くことになる。

そして1956年に名ギタリストのペペ・マルチネスの演奏を聴き、彼の弾くマルセロ・バルベロI世の楽器の製作技術と高貴な音色に感動したマヌエルは、マドリッドの工房を訪ねて教えを請うことを決意。ペペが紹介状を認め実現したその出会いはわずかな期間ではあったが、その才能を高く評価したマルセロとの文通は彼の逝去まで続いた。やがて指導を十全に活かし更にアンダルシア独自の色合いを加味した彼の楽器は評判を呼び、彼の工房には多くのギター関係者が訪れる様になって行った。そこで彼は1979年に観光スポットとしても知られるポトロ広場に面したその工房をギターフェスティバルの事務所へ提供して、静かな環境のアルマ通り7番に工房を移転し注文を限定することとした。アンダルシアが生んだ現代の銘器としてマニア垂涎の的となっている彼のギターを愛奏するギタリストは、ビセンテ・アミーゴ、トマティート等枚挙の暇が無い。同地で開催されたロマニリョスの講習会で表板を調達出来なかった生徒に貴重なストックを提供した等の逸話もある暖かい人柄と、厳しい製作態度は現在子息、マヌレル・レジェス・イーホへと受け継がれている。

 

歴史的名工たち


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