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6.回復訓練(1)

 ここから詳しく方法を述べたいと思います。くどいようですが、他の方に当てはまる方法かはわかりませんし、逆に症状を悪化させる可能性もあることを認識しておいて下さい。治療としてだけでなく、危険性はあるものの、健康な指の方にとっても、指ならし、柔軟性、敏捷性をもたせるトレーニングとして有効な方法であると信じます。

 発想の原点は、フラメンコ奏者に早いスケールを見事に弾いてのける人が多いことにあります。色々な要因はあるでしょうが、私はラスゲアードによって手の甲の側の敏捷性が高められ、とりわけi(人差し指)で著しく鍛えられている点がクラシックとは違うと思うのです。これを左手にも応用できないか、というのが私の発想です。

 まず、テーブルの上で右手を軽く握り、力を入れずにch,a,m,iとはじきだすラスゲアードを数回やってみてください。つぎに、同じ事を左手でやります。必ず力を抜いて下さい。そっと広げるくらいの気持ちでやります。はじめは1本ずつはじき出すことができないかもしれません。そのときは4,3,2,1がだんごになってもかまいません。これを1度に20回くらい、慣れてくれば50回くらいつづけてやります。健康な方ならこれだけでも指があたたかくなり、スラーが軽くなると思います。この練習を1日20回からはじめて1日に合計100回くらい、1週間ほど繰り返すとかなりやわらかくなってくるのがわかります。

 ところで、無理をしているわけではないのに、痛みが出ることがあります。おそらく、眠っていた部分に負担がかかるせいだと思います。私はこれを何度となく経験し、今度は本当にこわれてしまったのかなと不安になったりしましたが、今日現在まで治らなかった痛みはありません。人によって痛みの原因はまちまちでしょうから、一概に大丈夫だとは言えないのですが、痛むから無理というわけではないようです。ときどき右手との感触の違いを確認しながらやって下さい。

 大切なことがあります。左の場合なら、1,2,3,4の4本の中でどれか1本に異常が起きても、他の指が新たな4本のバランスを取ってしまうということです。次々にバランスが変化しますから、回復練習の間、あまりギターを集中して練習しない方がよいと思います。できればピアニシモくらいでそっと鳴らすのがよいと思います。これもそれだけで効果があって、普段いかに力まかせに弾いているかがわかります。


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