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8.回復訓練(3)

 ここまでおやりになった方は、もう要領がつかめてきたことでしょう。あとは自分に合ったパターンを見つけることです。たとえば、2と4のスラーに違和感を感じていたとします。そのときは力を抜き、小さな動きで4-2,4-2,…のパターンで充分ほぐします。(これは、そっと4、2の順にはじき出すことを意味します。ここではゆっくり連続的に行います。3の力は抜き、2と4の動きにくっついて来ても気にしないことです。)
その後、ゆっくり4,2,2(up)の繰り返しをします。(2(up)は2の握る方向への動きです。)くれぐれも無理をしないように気をつけてください。さらさらと無意識にできるようにします。3も力を抜いておいてください。楽になったら全速力でやります。ゆっくりやるときは、思い切って遅くし、いくらか動きを大き目にして下さい。これが済んだら、2,4,4(up)で同じ事をやります。

 これで終わりではありません。2,4が重いとき、1の存在を忘れてはいけません。どこかの指が不調の時、他の指の影響が必ずあると思って下さい。4,2,1と1,2,4のパターンを同様に練習します。これらの練習はいずれも長時間やってはいけません。無理がかかっているかどうかはご自分の判断だけが頼りです。うまくいくことを祈ります。力を抜き、小さな動きで軽くやるのがポイントです。はじめはもたもたと、変な動きでよいのです。1週間くらいやるととても軽くなるはずです。もう気がつかれたでしょうが、これは準備運動としても有効です。健康な方は、ギターを持つ前に少しこれらの練習をしてみてください。いきなりスラーを弾いても安定して鳴ることに驚かれると思います。あとは、3,2,1なり、2,3,4なり、ご自分のパターンでおやりください。

 もうひとつ、大切なことを述べておきましょう。それは、手のひらを上にするか下にするかによって、効果が違うということです。もちろん、はじめは無理のない方向でやりましょう。腕を脱力してたらしたままでもよいでしょう。次第に、手のひらを上にしてもできるようにします。これはそれだけ負荷も大きくなりますから、油断しないで下さい。


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