ギターにはいくつかの種類がありますが、ここでは電気を使用するものは除いてお話しすることにします。
弾く音楽の目的から分類すると、概ね、クラシックギター、フラメンコギター、フォークギターの3種類に分けられます。 しかし、どの音楽にどのギターを使わなくてはならないと決まっているわけではありません。音の好みによって、違う種類のギターを使う場合もあります。
フォークギターはスチール弦を使用し、通常はピックというセルロイド等でできた小片で弾かれます。歌の伴奏に使われることが多く、独奏に使われることはほとんどありません。
クラシックギターとフラメンコギターには、ナイロン弦を使用します。
ナイロン弦といっても、低音弦の3本には金属線が巻き付けてあるため、見かけは金属弦のように見えます。 クラシックギターとフラメンコギターの音の違いは、使う材料、設計によって現れます。
クラシックギターでは、しっかりした、よくのびる音に設計する傾向があり、フラメンコギターでは歯切れのよい音に設計する傾向があります。
見かけの違いとしては、フラメンコギターの表面板にはゴルペ板というセルロイドの板が貼ってあり、フラメンコ奏法特有の爪による打撃の傷から守るようにできています。 クラシックギターの裏板と側板はローズウッドという黒っぽい色の木を使用するのが普通ですが、フラメンコギターにはシープレスという白くて軽い木を使います。
また、フラメンコギターの弦は、指板に接近して調整されており、強く弾いたときに指板にぶつかってフラメンコ独特の響きを生むことになります。 現代最高峰のフラメンコギター奏者であるパコ・デ・ルシアの頃から、フラメンコギターにクラシック的な響きを求める奏者も多くなり、両者の中間的な設計をとる「両用ギター」というものもあります。
ではボサ・ノヴァには何を使うか。これは好みの問題で、どちらでもかまいません。 どちらかといえばプロの奏者はクラシック系の音を好むようです。