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髙木真介のスペイン便り
25.第16回アンドレス・セゴビア国際ギター・フェスティバルほか(2002.10.7)

皆様こんにちは。お元気ですか。今回のスペインだよりは,『アンドレス・セゴビア国際ギター・フェスティバル』についてお知らせします。このフェスティバルは毎年マドリードで5月に行われていましたが,今年はどういうわけか開催されませんでした。ずっとおかしいなと思っていましたが,最近案内のパンフレットが送られてきましたところ,今年は10月に行なわれることがわかりました。今まではフェスティバルの名称に「春の」と言う言葉が入っていましたが,今回は当然のことながら入っていません。余計なことですが,毎年春(5月)に行なわれていたのに今年はどうして10月になったかという主催者側からの説明は,送られてきたパンフレットには一切ありません。

XVI FESTIVAL INTERNACIONAL ANDRES SEGOVIA

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I. 10月4日(金)Escuela de Musica Sotomesa 午後7時30分
UROS DOJCINOVIC (ユーゴスラビア出身の名手)
  (Dojinovic, Bajic, Binicki, Jovicic などの作品 ~ユーゴスラビアの音楽)

II. 10月5日(土)Auditorio Nacional(国立音楽堂) 午後7時30分
PABLO DE LA CRUZ, AGOSTINO VALENTE 他
   I SOLISTI AQUILANI室内楽団 指揮:L.CASTROTA  
   (Giulianiのギター協奏曲,R.Llorcaのリコーダー協奏曲の初演,他)

III. 10月11日(金)Auditorio Conde Duque 午後8時
SERAFIN ARRIAZA VARGAS (スペイン期待の若手)
 (Scarlatti, Bach, Rodrigo, Penalosa, Piazzollaの作品)

IV. 10月18日(金)Auditorio Conde Duque 午後8時
MARCIN DILLA (今年度ONCE=盲人協会主催のコンクールの優勝者)
 (Bach,Mertz, Rodrigo, Ponce, Brouwerの作品)

V. 10月19日(土)Auditorio Nacional(国立音楽堂) 午後7時30分
DAVID RUSSELL
 (Bach, Sor, Granados, Tarrega,他の作品)

VI. 10月25日 (金) Auditorio Conde Duque 午後8時
DUO KATONA TWINS (双子の兄弟によるギター・デュオ)
  (Brouwer, Tedesco, Bartok, 他の作品)

VII. 10月26日(土)Auditorio Nacional(国立音楽堂) 午後10時30分
GIOVANNI GRANO, DUO PANEBIANCO, TRIO CARDOSO
 ORQUESTA CHAMARTIN 指揮Silvia Sanz Torre
 (Carulliギター・コンチェルト,Panebiancoギター・デュオ・コンチェルト,Cardosoギター・トリオ・コンチェルト)

 以上のようなプログラムになっています。いうまでもなく,コンサートVのデビッド・ラッセルがこのフェスティバル一番の注目の的ですね。26日の最終コンサートの,ソロ,デュオそしてトリオのギター・コンチェルトと言うのもなかなか興味深いですね。因みに入場料ですが,II,V,VIIと国立音楽堂で行なわれる3つのコンサートが12ユーロ,その他のコンサートは無料になっています。
なお,このフェスティバルの連絡先は,下記の通りです。

FESTIVAL INTERNACIONAL DE PRIMAVERA ANDRES SEGOVIA
C / Fuerte de Navidad, 32, 6-D
28044 – Madrid
E-mail : asegoviafestival@hotmail.com

 

第36回ターレガ国際ギターコンクール

 少し遅くなってしまいましたが,ターレガ国際ギターコンクールの結果をお伝えします。毎年8月の終わりに,地中海沿岸のカステジョン県にある美しいリゾート地ベニカシムで開催されているこのコンクールは今回で第36回目を迎えました。今年はターレガ生誕150年に当たりますが,どういうわけか参加者数は例年を大きく下回る20名だけだったそうです。本選は,去る8月30日ベニカシム市立劇場で行なわれました。毎回本選では,オーケストラとコンチェルトを1曲と,ターレガの作品をソロで演奏することになっています。今回は,ジュリアーニ(第1番),カステルヌオボ・テデスコ(第1番),ビラロボス,バカリーセの4つのコンチェルトから各自任意に選択します。本選出場者および演奏曲目は以下のとおりです。

1,BERTRAND PIETU(フランス) : コンチェルト=ジュリアーニ
   ターレガ=「椿姫」幻想曲
2,ROMILIO ORELLANA(チリ) : コンチェルト=カステルヌオボ・テデスコ
   ターレガ=カプリチョ・アラベ
3,DAEKUN JANG(韓国) : コンチェルト=ビラロボス
   ターレガ=6つの前奏曲とアルボラーダ
4,ANABEL MONTESINOS(スペイン) : コンチェルト=ジュリアーニ
   ターレガ=前奏曲とアラールの練習曲

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審査の結果 第1位(賞金1万818ユーロ):ANABEL MONTESINOS(スペイン)
  第2位(賞金4808ユーロ): ROMILIO ORELLANA(チリ)
  ターレガ賞(2404ユーロ):ANABEL MONTESINOS(スペイン)
  聴衆賞(1653ユーロ):ANABEL MONTESINOS(スペイン)
* 入賞できなかった本選出場者には571ユーロが与えられた

 結果だけを見ると,スペインのANABELが他を圧倒した感じですが,本選を聞いていた人の話しによると,出場者4人の実力は肉薄していた模様です。ANABELは若干17歳の女の子,若さと可愛さと言うのもコンクールでは武器になるのでしょうね。いずれにしろ,スペイン・ギター界の明日を担う将来有望の女流ギターリストの登場と言うことはできます。

 それでは,今回のスペインだよりはこの辺で。ごきげんよう。

高木真介,2002年10月6日,マドリード
Masayuki Takagi


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